辻仁成著「
サヨナライツカ」原作映画は中山美穂、西島秀俊共演でただいま大ヒット?公開中ですが、辻の真の友人の一人
江國香織の「スイートリトルライズ」も3月に中谷美紀、大森南朋で
映画化され公開予定です。
「サヨナライツカ」も読んでみたのでこっちも読んでみることにしました。
スイートと言っておきながら、スイートなんて甘いことは全くありません。
結婚3年目の二人は結婚20年以上の私から見ればまだ新婚ホヤホヤであるはずなのに、すでに2年もベッドを共にせず、夫は帰ってくるなり部屋にこもってPCゲームに夢中。
人気テディベア作家の奥さんも「ねー、この家には恋が足りないと思うの」と言いつつもたいして腹を立てるでもなく普段通りに夫にお菓子を作ってあげたりオシャレな朝食を作ってあげたりと淡々と過ごしています。
今流行りの植物系、性に淡白な二人なのねーと思いきや、これがどっこい、一歩家庭の外に出て相手が変わると二人ともびっくりするくらい、くんずほぐれつの精力旺盛で
夫婦水入らずのスキー旅行の宿泊先に夫は愛人を別の部屋にチェックインさせ、妻の若い愛人も追いかけて泊まりに来て二人とも相方の目を盗んでこっそり密会というありえない状況が展開する仰天ストーリー。
まー仲良し夫婦の小説を読んでも面白くもなんともないからこれはこれで人をギョッとさせることに成功しているとは思いますが。
レビューを書こうと思ったら本が見当たらなくなっていてどこに行ったのかと探していたら、就活中の娘が読んでたらしく、その読んだ本もカオスと化した娘の部屋で行方不明なのだけど
娘も「意味不明のとんでもない話!」としながら
「これは一見幸せそうにみえる家庭でも一歩入れば空虚なものってことを言いたいのか」と問うてきたので
就活中に読む本ではない!とまずは苦言を呈しつつ
このスイートリトルライズを書くにあたっての江國香織自身の言葉を披露。
「
恋するために生まれた」に彼女はこう書いています。
結婚はしなくてもいいと多くの人が認め、離婚も悪いことじゃないと多くの人が認めている。それにもかかわらず、実に多くの人が結婚することを選び、また結婚しつづけることを選んでいるのはなぜか。
私は結婚にそれなりの魅力があるからだと思います。結婚して、男と女が一つの家に住むということは、セックスと同じだと思うんです。女一人だけで、あるいは男一人だけで住んでいたら、絶対に埋まらない空間がある。それは実際にセックスがあるかどうかとは別問題。だから例えばセックスレスでも、一緒に暮らしているのに喧嘩ばかりでも、片方、もしくは両方に好きな人がいても、その家の中に、男しか満たせない部分と女しか満たせない部分があるために結婚は維持されるのです。それはセックスとそっくり!すくなくとも、ある種のエロスの状態なのではないかと思う。私はそういう奇妙なエロスに興味があって「スイートリトルライズ」という小説を書いたんですけれども。だそうです。
確かに物語の中で妻が浮気して帰ってきた夫にそうとは知らずに
「外でどんなことしてきてもちゃんと皆家に帰ってくる。不思議よねー」みたいに言い(本が手元にないので正確じゃないけど)夫がギクッとするシーンがありました。
つまり作者がこの本で言いたかったのは夫婦の絆をなめんなよ、ってことなのでしょうか。
ラストは妻が若い男と別れただ夫の腕の中に入ることで安心し満足する、日々の静かで平和な暮らしを選び、夫はこれから愛人とのことどーするのかなーという感じで終了。
なんだかよくわからず「は~?ふざけんな!」と思い切り言いたくなるようなイライラする作品でありましたが、江國香織のふわふわとした不思議ちゃんワールドはフルスロットル!
どんな映画になるんだろね~@@?
江國 香織
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